



チェンマイに行った時は必ず足を運ぶアンティークショップ。
どのお店もそうですが、行く前は「潰れてたらどうしよう。」と。
行ってみるとやはりそのお店は、というよりもお店のあるエリアはどこも真っ暗でシャッターだらけ。
諦めて帰る前に、なんとなくそのエリアをぐるっと回ってみたら、以前とは違う小さな場所に移動していた!
「お客さんが次に来た時に見つけられないと困るから、家賃の安いこっちに移動したのよ。いつまで続けられるか分からないけれど」と。
在庫はほとんど自宅に持ち帰ったそうで、少ししかなかったけれど、いつも本当に美しいものだけを置いている。
どうか続いていきますように、の願いを込めて、少しですがお買い物してきました。
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ベトナムに暮らす黒モン族の古い刺繍布を使った美しい巾着袋。
黒モン族の女性がベルトとして腰に巻いていた刺繍布の一部を使っています。
どれくらい古いのか、どの骨董屋さんに聞いてもやはり定かではなく、山岳民族の村に国外の人が足を踏み入れたのが1960年〜1970年代で、それより前のことはわからないのだとか。
これはおそらく60年前、と聞きましたが正確な情報は分かりません。
今ではもう見かけなくなってしまった、とにかく緻密で、様々な刺繍の技術が凝縮されています。
点々の模様に見える部分ももちろん刺繍で、糸を編み、それをアップリケのようにつけていたり、見飽きることがありません。
このパターンの刺繍はいくつかみたことがありますが、これを作った人は特に技術が高かったのだと思われます。
リメイクの仕方も美しく、まるで最初からこの形だったかのよう。
ただ端切れを貼り付けたおみやげのポーチとは全然違う。
藍染のコットン布に、手編みの紐、ポイントの鈴。
大切なものを入れたくなるし、運気が上がるような気さえする。
額に入れて飾りたくなるほど、すでに失われてしまった美しい手仕事です。